エメラルドゴキブリバチという、とんでもないハチをご存知でしょうか?このハチは東南アジア・アフリカなどの熱帯に生息しているハチです。
エメラルドゴキブリバチは、キレイな光沢のある青緑色をしたまるで宝石のような色鮮やかな外観を持つハチなのですが、そのキレイな外観とは裏腹な恐ろしい側面を持つハチでもあるのです。
このエメラルドゴキブリバチという名前を聞いて、なぜゴキブリという言葉が入っているのか不思議に思った方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、エメラルドゴキブリバチとゴキブリとの驚きの関係性についてまとめていますので、興味のある方はご覧になってください。
最初に申し上げて置きますが、エメラルドゴキブリバチとゴキブリの関係性はかなり衝撃的なものなので、気の弱い方は読むのをお控えください。
エメラルドゴキブリバチとゴキブリ 驚きの関係性について
エメラルドゴキブリバチは、ゴキブリを宿主として寄生して子供を育てる寄生性昆虫で、その寄生の方法が、あまりにも残酷で衝撃的です。
エメラルドゴキブリバチは、ゴキブリを捕まえて、ゴキブリの体に卵を産みつけ、孵化したエメラルドゴキブリバチの幼虫は、ゴキブリの体内で、ゴキブリの内蔵を食べながら成長します。
それでは、エメラルドゴキブリバチのゴキブリへの寄生のサイクルをひとつひとつ見ていきましょう。
2度に渡る毒の注入でゴキブリの脳を乗っ取り意のままに操ることができるようにする
エメラルドゴキブリバチは、ゴキブリに2度に渡り毒を注入して自分の意のままに操れるように、最終的にはゴキブリの脳を乗っ取ります。
最初の毒の注入は2度目の毒を確実に注入するための準備
メスのエメラルドゴキブリバチはゴキブリを見つけ捕まえると、ゴキブリの胸部に毒針で毒を注入します。
1回目の毒の注入は2回目の毒を正確に注入するため、ゴキブリの体を麻痺させ動きを封じるための準備です。
この毒の注入により、ゴキブリの体は麻痺して自由に動けなくなります。この段階では、まだゴキブリに自ら動こうとする意志は残っています。
2度目の毒の注入で脳を乗っ取り自らの意志で動けなくする
2度目はゴキブリの頭部、正確には脳に毒を注入します。これでゴキブリは生きながらにして、自分の意志では動くことはできなくなってしまいます。
この状態をゴキブリのゾンビ化と表現する方もいます。
そしてエメラルドゴキブリバチは自らの意志で動けなくなったゴキブリの触覚を噛み切ってしまいます。
さらに、エメラルドゴキブリバチはゴキブリの頭から体液を吸います。
この行動には諸説あり、2度に渡る毒の注入で消耗してしまった体力を回復するため、また脳に注入した毒の量をコントロールしているため、などと考えられています。
ゴキブリの体に卵を産みつける
2度に渡る毒の注入で、ゴキブリを意のままに操れるようになったエメラルドゴキブリバチは、ゴキブリを巣穴へと連れていきます。
この時、ゴキブリは自らの足で歩いてエメラルドゴキブリバチの巣穴へと入っていきます。
ゴキブリを巣穴へと連れて行くと、エメラルドゴキブリバチはゴキブリの体の表面に卵を産みつけます。
ゴキブリに卵を産みつけた、エメラルドゴキブリバチは、巣穴に他の虫や小動物が侵入してゴキブリを食べないように、巣穴を埋めて塞ぎます。
幼虫はゴキブリの内臓を食べて成長する
ゴキブリの体の表面に産みつけられた卵は、やがて幼虫へと孵化し、孵化した幼虫はゴキブリの体内へと潜りゴキブリの内蔵を食べ始めます。
ゴキブリは生きながらにして、内蔵を食べられてしまうのです。
ゴキブリの体内で蛹化する
ゴキブリの内蔵を食べ十分に栄養を摂取して成長した、エメラルドゴキブリバチの幼虫はゴキブリの体内で蛹になり羽化を待ちます。
ゴキブリの体内で羽化した成虫はゴキブリの体を食い破って外の世界へと出てくる
エメラルドゴキブリバチの蛹は、ゴキブリの体内で成虫へと羽化し、ゴキブリの体を食い破って外の世界へと出てくるのです。
内蔵を食い荒らされたゴキブリは、もちろん死んでしまいます。
まとめ
エメラルドゴキブリバチとゴキブリの、恐ろしくもあり衝撃的な関係性を紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
エメラルドゴキブリバチのような寄生性昆虫は他にもたくさんいますが、今回ばかりは嫌われ者のゴキブリがかわいそうにだと感じた方も多かったのではないでしょうか?
しかし、エメラルドゴキブリバチにとっては、自然界で生き残るため、また子孫繁栄のためには必要な行動なのです。