子供たちの人気者カブトムシ、採集難易度、飼育難易度ともに比較的低く、ホームセンターやペットショップなどで、ペア(オスとメスのセット)で、1000円以下で販売されているので、夏になると飼育する方も多いです。
しかし、カブトムシの成虫の飼育方法は知っているけど、幼虫の飼育方法は知らない方が意外と多いようです。
そこで、今回は国産カブトムシの幼虫の飼育方法や注意点を初心者の方でも分かるように詳しく解説していきますので、カブトムシの幼虫を飼育して成虫まで羽化させてみたい!という方は読んでみてください!
ちなみにカブトムシの成虫飼育については以下の記事で解説しています。
【超初心者向け】カブトムシの飼育方法 必要なモノや飼育するうえでの注意点を分かりやすく解説!長生きさせるコツはコレだ!
ペットボトルや100円均一のアイテムを使ったコスパ最強のカブトムシの幼虫の飼育方法は、以下の記事でご紹介しています。この記事と合わせてお読みいただくとカブトムシの幼虫飼育についての理解がより深まります。
カブトムシの幼虫飼育方法 コストを掛けずにペットボトルでカブトムシの幼虫を育てる方法 コスパ最強のアイテムや裏技も紹介!
なお、カブトムシの幼虫飼育の方法とマット交換の頻度など、カブトムシの幼虫飼育について詳しく解説した動画をYou tubeチャンネルに動画でアップしていますので、動画でカブトムシの幼虫飼育を学びたい方は以下の動画をご視聴ください↓
カブトムシの幼虫飼育における注意点
カブトムシの幼虫飼育は、基本的には飼育ケースにマット(幼虫飼育用の土)を入れてカブトムシの幼虫を投入するだけなので、とても簡単なのですが、飼育するにあたって注意点がいくつかあります。
カブトムシの幼虫を飼育するにあたって、重要なことは、まずカブトムシの幼虫のことをよく知るということです。
カブトムシの幼虫を飼育する前にまずは飼育上の注意点を理解しておきましょう。
注意点① 飼育する幼虫の数に合わせた飼育ケースを選ぶ 小さなケースに大量の幼虫を入れるのはNG!
飼育する幼虫の数に合わせた飼育ケースを選ぶということも、カブトムシの幼虫を飼育する上では重要なことです。
国産カブトムシの場合、個体にもよりますが一匹のメスが50個ほどの卵を産みます。多いと70個も卵を産んでくれることもあります(経験談)。
そのため、人によっては十分な容量のない小さな飼育ケースに大量の幼虫を入れて飼育することもあると思いますが、それはNGです。
その理由は、カブトムシの幼虫はとにかく大食いでマットをモリモリ食べます!
小さな飼育ケースに高密度で幼虫を飼育しているとあっという間にマットを食べ尽くしてしまいます。
そういった理由から、大量の幼虫を飼育する場合、衣装ケースなどの大きなケースを使って、マットの量を確保しつつ飼育するか、中サイズの飼育ケースに5匹ほどの数で分けて飼育するなど幼虫一匹あたりのマット量を多めにしてあげるとよいでしょう。
ちなみに、幼虫の飼育数の合わせた飼育ケースの選びは、記事後半で解説しています。
多頭飼育も可能 理想は3令幼虫からは個別飼育が理想!
カブトムシの幼虫は、多頭飼育も可能ですが、できれば3令幼虫になって、ある程度、成長した2月〜3月ごろからは、ペットボトルなどを使った個別飼育が理想的です。
多頭飼育していると、蛹から成虫へと羽化してくるタイミングが、個体ごとに違っていて成虫へと羽化した個体が、活動を始めてしまいます。
そのため、まだ羽化していない蛹をキズつけてしまう危険性があるのと、羽化した成虫同士がケンカしてしまいます。そういったことから2月〜3月ごろからは個別飼育がおすすめです。
※ちなみにペットボトルを使ったカブトムシの幼虫の個別飼育については以下の記事で解説していますので合わせてお読みください。
国産カブトムシの幼虫は共食いをするのか?
多頭飼育する場合、「もしかして、カブトムシの幼虫は共食いする?」と気にする方もいらっしゃるかもしれません。
結論から申し上げて、カブトムシの幼虫は共食いをしません!
これまで、私がカブトムシの幼虫を飼育してきた経験上、カブトムシの幼虫が共食いをしたということはありません。
念のため、イロイロ調べてみましたがカブトムシの幼虫が共食いをするという情報は見つからなかったので、共食いはしないでしょう。
注意点② 直射日光の当たらない場所で飼育する
カブトムシの幼虫を飼育する場合、注意しなくてならないのが飼育温度です。
特にカブトムシの幼虫を屋外で飼育する場合は直射日光の当たらない、一日中日陰で風通しの良い場所で飼育してあげましょう。
卵から孵化したばかりの一令幼虫の時期(晩夏〜初秋)は、まだまだ季節的に暑いです。
そんな暑い時期に直射日光の当たる場所で、カブトムシの幼虫を飼育してしまうと、飼育ケース内が灼熱地獄になってしまい、最悪の場合、幼虫を死なせてしまいますので注意しましょう。
注意点③ マットの水分が凍るほどの低温にならないようにする
カブトムシの幼虫は、基本的には寒さに強いです。しかし、マットが凍ってしまうと最悪の場合、死んでしまいます。
特に幼虫を屋外で飼育する方で、お住まいの地域の冬の気温が氷点下を大きく下回る場合は、園芸用のビニールハウスなどを使って保温してあげると安心です。
園芸用のビニールハウスを使った、冬場の幼虫管理については以下の動画で解説していますので、興味のある方はご視聴ください。
注意点④ マットの水分量に注意する
マットはカブトムシの幼虫飼育において、非常に重要な役割を担っています。幼虫のエサになりますし、幼虫が住む家にもなります。
カブトムシの場合、成虫も乾燥に弱いのですが、幼虫はさらに乾燥に弱いです。そのため、マットには一定の水分量がないといけません!
市販されているマットの場合、未開封の状態なら水分調整しなくていいものが多いですが、マットが乾燥しているようなら、水分調整する必要があります。
目安としては、加水したマットをグッと握ったら固まるくらいでオッケーです。握ったときに水分がにじみ出てくるようなら加水し過ぎなので注意してくださいね!
注意点⑤ マットの再発酵に注意する
カブトムシの幼虫飼育に使用する広葉樹の発酵マットはカブトムシの幼虫にとって理想的なマットですが、注意点もあります。
発酵マットは量と温度によって再発酵が起こり、熱が発生してカブトムシが死んでしまう場合があります。そのため、使用する前に十分に冷ましておくことや、定期的にかき混ぜて空気を入れることが必要です。
具体的には、使用する前に開封して匂いを嗅いでみたり、手でマットを触ってみたりしてください。
鼻にツンとくる匂いがしたり、マットが異常にに熱くなっているようでしたら、再発酵している可能性が非常に高いです。
その場合は、すぐにそのマットを使用するとカブトムシの幼虫を死なせてしまう可能性があるので、日陰で風通しの良い場所に新聞紙などを敷いて、マットを数日間、干しておきましょう。
匂いおさまり、マットの熱が落ち着いたら使用しても問題ないです。
カブトムシの幼虫飼育に必要なモノ
それでは、カブトムシの幼虫飼育の注意点を一通りご説明しましたので、カブトムシの幼虫飼育に必要なものを確認しておきましょう。
カブトムシの幼虫飼育に必要なものは以下のようなものです。コストを抑えたい方は100円均一ショップなどで買い揃えるといいでしょう。
カブトムシの幼虫飼育には最低限、以下のようなものが必要です。
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飼育ケースもしくは衣装ケース 幼虫の飼育数に合わせて選ぶ!
当たり前ですが、幼虫たちの家になる飼育ケースもしくは衣装ケースは必須アイテムです。飼育する幼虫の数に合わせた容量のものを選びましょう。
幼虫の数に合わせたケースの選び方は、記事後半の「カブトムシの幼虫飼育 基本的な方法」でお話していますので参考にしてください。
ちなみに、幼虫を多頭飼育する場合は100円均一ショップのDAISOで販売されている衣装ケース(容量20リットル)が特におすすめで、お値段440円とかなりコスパいいです↓
※衣装ケースの画像
マット(幼虫飼育用の土) 幼虫のエサ・住家となる重要なアイテム!
幼虫の住み家やエサとなるマットはカブトムシの幼虫飼育において非常に重要な役割を担っています。
カブトムシの幼虫飼育用のマットとして販売されているものなら、問題なく使用できるのですが、栄養価の高いマットを使用すると幼虫が大きく育ちます。
もちろん、栄養価の高いものを使うだけでいいというわけではありません。飼育温度など、その他の飼育条件も幼虫を大きく育てる上では、重要な要素となります。
ちなみに、カブトムシの幼虫飼育用のマットでおすすめなのは、フォーテックから販売されている「カブトムシ1番JB」というマットです。
霧吹き 乾燥に弱いカブトムシの幼虫のために霧吹きでマットに加水してあげよう!
何度も申し上げておりますが、カブトムシの幼虫は乾燥に弱いです。マットが乾燥しすぎていると、マットの上に出てきてしまう子もいます。
そのため、定期的にマットに霧吹きで加水してあげる必要があります。マットが乾燥し過ぎないように、マットの状態をしっかり確認してあげましょう。
園芸用の不織布 マットから湧いたコバエを外に出さないようにする!
コバエシャッターなどの保湿性に優れた飼育ケースを使用する場合は必要ないのですが、それ以外の一般的な飼育ケースを使用する場合は、ケースのフタとケース本体の間に不織布を挟んであげると、ケース内の保湿性が高まります。
また、そうすることでマットからコバエが湧いてもケース外にコバエが出るのを防げるため、特に室内でカブトムシの幼虫を飼育する方にとってはおすすめの対策です。
カブトムシの幼虫飼育方法 飼育環境の作り方と幼虫飼育の基礎知識を分かりやすく解説!
自然界においてカブトムシの幼虫は、腐葉土や朽木などを食べて成長していきます。飼育下においては、カブトムシの幼虫飼育用に作られたマットと呼ばれる土を使って幼虫を飼育していきます。
カブトムシの幼虫飼育は、飼育ケースにマットを入れて幼虫を入れるだけなので簡単なのですが、小さなケースに大量の幼虫を入れるのはNGです。
目安としては、20リットルのケース(マットを8分目まで入れる)に対し10匹程度までがよいでしょう。
通常の飼育ケースを使用する場合、中ケースなら5匹程度まで、小ケースなら1〜2匹程度がよいでしょう。
小さなケースを使用する場合は、マットの深さが最低でも15cm以上は確保できるようにしてください。なぜかというと国産カブトムシは、縦に蛹室を作るので一定の高さが必要なのです。
飼育する数が少ない場合は、ペットボトルを使って個別飼育するのがおすすめです。
おすすめの飼育ケース(衣装ケース)やペットボトルを使った幼虫飼育につきましては「カブトムシの幼虫飼育方法 コストを掛けずにペットボトルでカブトムシの幼虫を育てる方法 コスパ最強のアイテムや裏技も紹介!」でご紹介していますので、そちらをご確認ください。
カブトムシの幼虫飼育 飼育環境を作ろう!
それでは、前項でお伝えした幼虫の飼育数に合わせたケースの選定条件と、マットの深さ15cm以上という条件、そしてこの記事の最初にお伝えしたカブトムシの幼虫飼育の注意点を踏まえカブトムシの幼虫の飼育環境を作っていきましょう。
まず、マットをケースの8分目(ケースの高さの8割の高さ)まで入れましょう。
マットを入れたらケース全体を持って、地面にケースの底を軽くトントンと当ててください。するとマットが詰まっていきますので、マットの上面が下がるはずです。軽く手で押し固めてもオッケーです。
そうしたら、再びケースの8分目付近までマットを追加して、幼虫を入れてあげましょう。
注意点⑤でも、述べましたがマットが再発酵していないか?必ず使用前にマットの匂いや異常発熱の有無を確認してくださいね!
簡単ですが、カブトムシの飼育環境の作り方は以上です。
最初の1週間は幼虫の様子を毎日チェックしてあげる
カブトムシの幼虫を飼育し始めて、最初の1週間はカブトムシの幼虫の様子を毎日確認してあげましょう。
マットが合わない幼虫は、マットの上に上がってきたりするので、幼虫にそういった変化がないか?少なくとも最初の1週間は確認が必要です。
マットの上に上がってくる子がいたら、2~3日ほど様子を見て、潜っていかないようなら、その子を個別管理してマットを交換してあげましょう。
マットの状態を確認して2~3か月に1回はマット交換をする
カブトムシの幼虫は、とにかく大食いでマットをモリモリ食べます。放っておくとマットを食べつくしてケースの中がカブトムシの幼虫のフンだらけになってしまいます。
そのため、一定期間を経過したらマットを交換してあげないといけません。
2~3か月に1回と言いましたが、飼育する幼虫の数や飼育方法によって、マットの交換頻度は変わってきますので、あくまで目安程度にしてください。
一番、分かりやすい基準は定期的に、ケースの中のマットの状態を確認することです。マットの上面にカブトムシの幼虫のフンが目立つようになってきたら、マット交換のサインです。
定期的に幼虫を飼育しているケースを確認して、カブトムシの幼虫のフンが目立つようになったらマット交換の時期だと思ってください。
カブトムシの幼虫飼育 マットは何を使えばいいの?マット選びの注意点について
「マットは何を使えばいいの?」という疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。マットはカブトムシの幼虫飼育用に販売されているマットなら何でもいいです。
おすすめは、フォーテックから販売されている「カブト一番JB」というマットですが、ホームセンターやペットショップで販売されているカブトムシの幼虫飼育用のマットなら特に問題ないです。
注意したいのは、針葉樹ベースのカブトムシやクワガタの成虫飼育用のマットは使えないという点です。マットの中にはカブトムシの成虫飼育用の針葉樹マットというものがあります。
この針葉樹マットは、薄い茶色をしたマットで防虫性に優れているので、カブトムシの成虫飼育に使用する方もいらっしゃるのですが、この針葉樹マットは幼虫のエサにはならないため、残念ながらカブトムシの幼虫飼育には使えません。
カブトムシの幼虫飼育に使うマットは、必ずカブトムシの幼虫飼育用に作られたマットを選びましょう!
カブトムシの幼虫飼育 マット交換の頻度と注意点について
カブトムシの幼虫は、マットをエサに成長していくことは先述しましたが、一定期間経過したら、マットを交換する必要があります。
マットの交換頻度は2ヶ月〜3ヶ月と言われていますが、飼育ケースの大きさや幼虫の飼育数によって、全く異なってきます。
ひとつの目安として、マット上部に幼虫のフンが目立つようになってきたら交換するというのがいいでしょう。
注意しなければならないのが、4、5月頃になるとカブトムシの幼虫は、蛹になる準備を始めます。
具体的には蛹室と呼ばれる蛹の部屋を作り始める個体もいるので、2,3月頃にはマット交換をしておき、ここから成虫に羽化するまではそっとしておくのがいいでしょう。
理想的なのは3月頃から個別飼育!
カブトムシの幼虫は、卵から孵化してから2回の脱皮をして蛹となり成虫へと羽化しますが、2回目の脱皮をした、蛹になる前の幼虫を3令幼虫、もしくは終令幼虫と呼びます。
3月頃になると、カブトムシの幼虫は3令幼虫になってからかなりの期間が経過しているので大きく成長しています。
繰り返しになりますが、おすすめは、この時期から個別飼育に切り替えることです。個別飼育に切り替えることにより、病気やマットの異常による幼虫の全滅を防ぐことができる点や、各幼虫が安心して蛹室を作ることができるなど、様々なメリットがあります。
ちなみに、国産カブトムシの幼虫は縦に蛹室を作るのでペットボトルを使って安価に幼虫を飼育することができます。
ペットボトルを使ったカブトムシの幼虫飼育については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
参考記事⇒カブトムシの幼虫飼育方法 コストを掛けずにペットボトルでカブトムシの幼虫を育てる方法 コスパ最強のアイテムや裏技も紹介!
まとめ
いかがでしょうか?
今回の記事では、カブトムシの幼虫の飼育方法、飼育上の注意点、その他の基礎知識などを、初心者の方にも分かりやすく網羅的にまとめてみました。
カブトムシの成虫は、成虫に羽化してから2~3か月ほどしか生きられませんが、幼虫から飼育すると約1年ほど飼育することができますし、成虫を飼育するだけでは得られない様々な知識を得ることができます。
なにより、幼虫が蛹になり、成虫へと羽化した瞬間は、本当にうれしいです。
ぜひ、みなさんもカブトムシの幼虫飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?