現在、地球全体で約5000種のトンボが確認されており、そのうち約200種が日本に生息しています。
日本に生息しているトンボといえば、オニヤンマ・ギンヤンマ・赤とんぼなどを思い浮かべると思います。ちなみに日本に生息してるトンボの中で一番大きなトンボはご存じの方も多いと思いますがオニヤンマです。
日本で一番大きなトンボはオニヤンマですが、世界で一番大きなトンボはどこの国にいるどんなトンボかご存じでしょうか?実は世界に目を向けるとオニヤンマよりはるかに大きなトンボが存在しているんです!
この記事では世界で一番大きいトンボをイロイロな視点(大きさ・長さ・重さ)に分けてご紹介しますので是非ご覧になってみてくださいね!
テイオウムカシヤンマ(Petalura ingentissima)|オーストラリア東部に生息する生きた化石とや呼ばれるトンボ
最大の定義にもよりますが、世界で一番大きなトンボといえばテイオウムカシヤンマでしょう。
テイオウムカシヤンマはオーストラリア東部に生息するムカシヤンマ科のトンボで、このトンボが世界最大といわれている理由は、翅を広げた際の両端の広さが約160mmにも達するという点からです。同種についてみていきましょう。
テイオウムカシヤンマの大きさ
テイオウムカシヤンマ修理済み。オンボロだけど見れるレベルになった。 pic.twitter.com/FL8J0Amcnc
— なべっちょ (@CT817815) January 16, 2022
引用元:https://twitter.com/CT817815/status/1482739162063138817
東京大学のなべっちょさんという方がTwitterでツイートしていた画像が、テイオウムカシヤンマの大きさを知るうえで分かりやすいと思い、引用させていただきました。
テイオウムカシヤンマが世界最大のトンボといわれている理由は、先程も少し触れましたが、翅を広げたときの両端の広さが大きい個体で約160mmにも達するという点からです。
特に、オスに比べメスのほうが大きく、頭を先端に考えたとき頭からお腹の先までの長さ(体長)が個体によりますが大きい個体では約160mmにもなります。
この体長160mmという体長が大きいのかピンとこない方のために、日本で一番大きいオニヤンマの体長は大きい個体(メス)で約110mmほどなので、このテイオウムカシヤンマがいかに大きいかお分かりいただけるかと思います。
テイオウムカシヤンマの生息地
テイオウムカシヤンマはオーストラリアの東部に位置するクイーンズランド州の東部、ニューサウスウェールズ州の北部に生息しています。
上記画像を確認していただければ、分かりやすいかと思います。
テイオウムカシヤンマの幼虫について
トンボの幼虫といえばヤゴですが、日本に生息するトンボの幼虫は水生ですが、テイオウムカシヤンマの幼虫は陸生で巣穴で獲物が来るのを待ち伏せして獲物を狩るという点で非常に珍しいです。
テイオウムカシヤンマは絶滅が危惧されている
テイオウムカシヤンマの幼虫は、地下水が豊富な湿原に生息しており、地球温暖化や気候変動の影響を受け、生息条件を満たす場所が減少していることなどから絶滅が危惧されている。
テイオウムカシヤンマが生きた化石と呼ばれている理由
テイオウムカシヤンマは、トンボ亜目、ムカシヤンマ科に属する昆虫なのですが、このムカシヤンマ科に属する現存する種の起源は非常に古く、ジュラ紀から存続している種なのです。
ちなみにジュラ紀とは現在から、約2億130万年前から約1億4550万年前まで続く地質時代のことで、分かりやすくいうと恐竜がいた時代です。
こういったことから、テイオウムカシヤンマは生きた化石と呼ばれているんですね。
参考文献:The petaltail dragonflies (Odonata: Petaluridae): Mesozoic habitat specialists that survive to the modern day URL:The petaltail dragonflies (Odonata: Petaluridae): Mesozoic habitat specialists that survive to the modern day – Ware – 2014 – Journal of Biogeography – Wiley Online Library
ハビロイトトンボ(Megaloprepus caerulatus)|翼開長が190mmにも達する中南米に生息するトンボ
テイオウムカシヤンマと並んで、世界最大のトンボといえば中南米に生息するハビロイトトンボも忘れてはならない存在です。
ハビロイトトンボが世界最大のトンボといわれる理由は、翅を広げた広さ(翼開長)がなんと190mmにも達するという点からです。翼開長に関してはさきにご紹介したテイオウムカシヤンマよりも大きいです。
Ciencia Infusaさんという方が、Twitterに投稿していた動画を引用させていただきました。
Si vemos el aleteo del caballito helicóptero del diablo (Megaloprepus caerulatus), nativo de centro y sudamérica, en cámara lenta, parece que realmente nade en el aire. Se alimenta de arañas y otros insectos y es bastante grande (hasta 22 centímetros de ancho) #zygoptero pic.twitter.com/uGyJs5fnbz
— Ciencia Infusa (@ciencia__infusa) June 26, 2020
引用元:https://twitter.com/ciencia__infusa/status/1276392310486507520
ハビロイトトンボの生息地
ハビロイトトンボは、パナマ・コスタリカなどの中南米に生息しています。
ハビロイトトンボの成虫は造網性のクモを捕食
ハビロイトトンボは、造網性のクモを捕食します。
クモを見つけたハビロイトトンボは、正面からクモに向かっていき脚でクモをつかみ、大きな翅で羽ばたきながら後退しクモを網から引きはがして捕食します。
なんとも大胆な狩りですね(笑)
小さなトンボだと、そのままクモの網に引っかかって逆に捕食されてしまいそうなものです。
ハビロイトトンボの産卵 樹洞の水たまりに産卵
ハビロイトトンボは、樹洞に溜まった水に産卵をします。
樹洞とは木の中が腐ってできた洞窟状の穴のことをいい、ハビロイトトンボは、樹洞に溜まった水たまりに1匹が約250個の卵を産みます。
ハビロイトトンボの幼虫
ハビロイトトンボの幼虫は、他種と同様に肉食性で樹洞において頂点捕食者です。主に蚊の幼虫(ボウフラ)を捕食しますが、他にオタマジャクシやハナアブなども捕食する。
また、ハビロイトトンボの幼虫は共食いをします。
先程、1匹あたり約250個の卵を産むといいましたが、同種は積極的に共食いをすることから、最終的に成虫へと羽化する個体はかなり少なくなります。
ジャイアントホーカー(Tetracanthagyna plagia)|世界一重いトンボ
記事冒頭でも申し上げましたが、最大の定義はそれぞれ異なり、「世界一重い」も世界最大といえるでしょう。
世界一重いトンボは、東南アジアに生息するジャイアントホーカーです。
Wikipediaによると、ジャイアントホーカーは現存するトンボの中で一番重いトンボとして世界最大とされています。
引用元:https://en.wikipedia.org/wiki/Tetracanthagyna_plagiata#Largest_dragonfly
ジャイアントホーカーの産卵と幼虫
ジャイアントホーカーのメスは、腐った木に産卵管を差し込み産卵します。
孵化した幼虫は、エビや魚、オタマジャクシなどを捕食すると考えられています。
世界最大のトンボ まとめ
世界最大のトンボを大きさ・長さ・重さの3つの視点から3種ご紹介いたしましたが、いかがだったでしょうか?
世界には私たちの想像を絶するとんでもない虫がたくさん住んでいます。当サイトでは国内に生息する昆虫や、世界のイロイロな場所に住んでいる特徴的な昆虫をご紹介しています。
ぜひまた、遊びに来てくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございした。