草の上で発光するホタルの画像

ホタルは、コウチュウ目ホタル科に分類され乾燥地以外の場所で生息しています。

ホタルの種類は、世界中に2000種類以上いると言われており、夜になるとお尻がほんのりと光り輝き、その美しさから夏の風物詩ともされています。

ちなみに日本には、10種類ぐらいのホタルが生息しており、特に知られているのが、ゲンジボタルやヘイケボタル、そしてヒメボタルです。本州や九州ではゲンジボタルやヒメボタルが、北海道ではヘイケボタルを見る事ができます。

なぜホタルのお尻は光るのでしょう?もちろん体内に電球が入っているわけでもありませんし、スイッチがついているわけではありません。

そのメカニズムがとっても気になりますよね。そこには何か秘密があるのかもしれません。

また、ホタルが光る理由はなんでしょう。何かを伝えるために輝くのでしょうか?また光っているホタルはオスとメスのどちらでしょうか?もしかして、オスしか光らないのでしょう?

ホタルのおしりが光ることについてはイロイロな不思議がありますよね!

この記事ではホタルが光るメカニズムや、ホタルはどうして光るのか?その理由について詳しく解説します。これを知ってからホタルを鑑賞する事で、これまでとは違ったイメージになるかもしれません。

日本で一番大きく強く光るゲンジボタル

草にとまって交尾するゲンジボタルの画像

ゲンジボタルは、日本では一番大きなホタルで、その発光も一番強いとされています。

その色は、黄緑色でとても幻想的で光っている時間はかなり長く、その発光時間は1秒から6秒と言われています。円を描くように飛ぶ姿が特徴的です。

ちなみに東日本と西日本、四国では同じゲンジボタルでも光り方が違うと言われているのをご存じでしょうか?

東日本の方が、西日本や四国よりも長めに点灯しているのです。なぜ違うのかには諸説ありますが、気温の違いが関係しているとも言われています。

生息範囲が広く田んぼや池などの止水域に生息するヘイケボタル

ヘイケボタルは北は北海道、南は九州と生息範囲が広く活動期間も長いのですが、発光自体はあまり強くはありません。

発光時間も1秒感覚です。色もゲンジボタルと比べると、淡い黄緑色でフワッとしています。ゆらゆらと揺れるように飛ぶのが特徴的で、清楚な雰囲気があります。

ゲンジボタルが川などに生息するのに対しヘイケボタルは田んぼや池などの止水に好んで生息・繁殖します。

小さなヒメボタル

そして、ヒメボタルはその可憐な名前と同様に一番小さなホタルです。ちなみにヒメボタルは西日本と東日本に生息する個体は大きさが異なり、西日本には大きい個体と小さい個体が生息しており、東日本には大きい個体が生息しているようです。

ちなみに大きい個体といっても、先にご紹介したゲンジボタルやヘイケボタルよりは小さいです。

ヒメボタルの光は、持続するというよりもまるでフラッシュを炊いた時のようにパッ、パッと輝きます。

その色は緑で、とても鮮やかです。

ホタルのおしりが光るメカニズムについて

ホタルのお尻をよく観察してみると、黄色く見える部分があると思います。この部分は、発行器と呼ばれるもので中にはルシフェリンという物質があります。これだけではホタルは光ることはできません。

発光を手助けしてくれる酵素の存在が欠かせないので、それがルシフェラーゼです。

ルシフェリンとルシフェラーゼの両方が体内で合わさり、化学反応を起こした事で初めて光る事が可能になるのです。ルシフェラーゼとルシフェリンが反応すると、ホタルの体内では酸素が使われます。そして、二酸化炭素が出てきます。

ホタルは、成虫になるとほとんど水しか飲みません。そのため、幼虫の時に蓄えておいたエネルギーを燃やすのです。その時に光子として体外に放たれて光るのです。

光っているホタルに触ると熱いのか?

ここで気になるのが、光っているホタルに触れたら熱いのかという事ですよね。

確かに、光っている時のホタルは熱そうです。ですが、そもそもこの光はホタルの体内で作られたもので、電球などとは基本的に違い特に熱くはありません。

ホタルは成虫しか光らないと思っている人も多いでしょう。ですが、実は卵や幼虫も光るのです。

ホタルの光は種類によって異なる

ちなみにホタルの光は全て同じだと思ってませんか?

よく観察してみると、ホタルの光は黄色だけではなく、黄緑やオレンジなど様々なタイプがあります。

それはホタルの種類によってルシフェラーゼの性質や構造が違うためで、ホタルの発光色はカラフルなのです。

ホタルが光る理由

ホタルが光るメカニズムについてお話ししましたので、次はホタルが光る理由についてご説明します。

ちなみに世界中のホタルが光るわけではなく、ホタルの祖先はもともと光る能力を持っていたわけではなくホタルのなかには光らない種類のホタルもいるのです。

なぜホタルのなかで光るものが現れたかはわかりませんが、可能性としては突然変異だと言われています。

ホタルが光る理由はイロイロありますが、ホタルがひかるのは、警戒しているからだと考えている人もいます。

確かに、光が見えると警告のように感じてしまいますが、もしそうだとしたら昼間に光ってもいいはずです。そういった理由からもホタルが光るのはメッセージ性があると考えられていました。

所説ありますが、その有力候補が恋人を探すためです。パートナーを見つけるために、ホタルは光って自分の存在を教えます。つまりホタルは暗い夜でも自分の存在が分かるように光を使ってコミュニケーションをとっているんです。

光を放ちながら飛んでいるのは、主にオスですがメスも光ります。オスとメスでは光の強さが違うのですが、メスも光る事ができます。

メスはどうしているのかというと、草や葉っぱに止まってジッとオスが来るのを待っています。

そして、光で会話をしているのです。つまり、ホタルのオスが光るのはメスへのアピールだったのです。人間で言えば、オスからプロポーズされたメスが答えているといったところです。

実は光るのは成虫だけじゃない!ホタルの幼虫も光る

ホタルの幼虫の画像

ちなみにホタルは幼虫の段階ですでに光ることをご存じでしょうか?

幼虫は交尾の相手を見つける事はしませんが、なぜ光るのでしょう。

それは、自分を守るためと言われています。そして、光り方も成虫と幼虫では違います。成虫になると、お尻だけが光ります。ですが、幼虫の場合は頭も光るのです。

幼虫の間、ホタルは飛んで逃げる事さえできません。そのままでは、捕食者の餌食になってしまうのです。
ですが、体を光らせる事によって捕食者を驚かせる事ができます。

こうして、ホタルの幼虫は自分の身を守っているのです。

ホタルが一番美しく光るのは20時~21時

ちなみにホタルは、夜ずっと光ってる印象がありますよね。

しかし、ずっと同じ光かというとそれは少し違います。

ホタルは、日没後2時間の間が特に美しく光るのです。オスは、空を飛びながらメスに光を放つのでホタルの光が見たからったら、午後8時から9時の間がいいでしょう。

まとめ

いかがいたしましょうか?

俳句などにも季語として使われ、まさに日本の夏を代表する昆虫です。

夏の夜空を飛び回るホタルは、どこか儚げでもあり叙情的です。お尻がほのかに光る姿は、とても幻想的で鑑賞をしに出かける人もいるでしょう。

美しい輝きは、ホタルが子孫を残すために必要な輝きだったのです。

ホタルの光を見かけた時には、そのメカニズムや目的を意識して見てみるとこれまでとは違って感じるでしょう。