カブトムシの幼虫が1匹だけ土の上に出てきている画像

カブトムシの幼虫は比較的容易に飼育できるので飼育している方も多いとおもいますが、僕が運営しているYouTubeチャンネルで飼育者の方から「幼虫が土の上に出てくる!」「何度埋めてもまた出てくる!」といった質問をよくいただきます。

そこで今回は、カブトムシの幼虫が土の上に出てくる理由と、それぞれの対処法についてご説明したいと思います。

カブトムシの幼虫が土の上に出てくる理由としましては、以下の7つが考えられます。ちなみにこの記事を読んでいる時期が4~5月頃でしたら6つめの「マットのしめ具合が悪い!」ということを疑ってください。

※カブトムシの幼虫飼育において飼育に使う土のことをマットと呼ぶので記事内ではマットと呼ぶことにします。

  1. 幼虫が病気になっている
  2. ケースの大きさに対して飼育数が多すぎ
  3. マットの上にフンだらけ 餌がない
  4. マットの水分が多すぎもしくはマットが乾燥しすぎ
  5. マットの再発酵による酸欠・マットの温度上昇
  6. マットの締め具合が弱い(4~5月)
  7. 新しいマットに馴染めない(マットとの相性が悪い)

ひとつひとつ説明していきます。

ちなみに「そもそもカブトムシの幼虫飼育の方法を知らない!」という方は、「【初心者向け】カブトムシの幼虫飼育の基本的な方法とマット交換の頻度・注意点を分かりやすく解説」という記事で詳しく解説していますので、その記事を読んでいただくか、僕のYou tubeチャンネルでも動画で分かりやすく解説していますので興味のある方は以下の動画をまずはご覧になってください。

幼虫が病気になっている

カブトムシの幼虫は比較的、飼育が容易で環境への適応力も強いため飼育方法さえ間違えなければ、高確率で成虫まで育てることができます。

そんなカブトムシの幼虫ですが時に病気になることがあります。そしてその病気が原因でマットの上に出てくることがあるそうです。僕もこれまで長い間カブトムシやクワガタを飼育してきましたが、記憶の範囲で1回だけそういった経験があります。

カブトムシの幼虫がかかると言われている病気は主に以下の2つの病気です。

  • ブヨブヨ病
  • 黒点病

ブヨブヨ病

クワガタやカブトムシの幼虫を触ったことがある方は分かると思いますが、幼虫は正常な状態ではとても引き締まっていて、触っても一定の力でくるっと力強く丸まっていますが、ブヨブヨ病にかかるとホントプヨプヨで普段のような引き締まった感じは全くなくなってしまいます。

また、幼虫の体が半透明になりエサを食べなくなり、やがて死んでしまいます。

僕はクワガタの幼虫では経験がありますが、カブトムシの幼虫でもこの病気にかかると聞いたことがあります。なのでブヨブヨ病が疑わしい幼虫がいたら、病気っぽい幼虫は隔離して、マットもすべて廃棄して交換することが必須です。

黒点病

黒点病は幼虫の体に黒い斑点ができる病気で、幼虫の体にカビの胞子が付着し、やがてカビが体内に侵入して体内の水分を吸収していき幼虫を死に至らしめる怖い病気です。

この黒点病の原因となるカビの代表的なモノとして冬虫夏草(とうちょうかそう)というカビが原因となっているそうです。

僕もカブトムシの幼虫飼育で1度経験しましたが、その時は発見が遅れたため残念ながらケース内の幼虫は全滅してしまいました。

黒点病に感染すると他の幼虫にも伝染するので、もしこの病気が疑わしい幼虫を見つけたら早急に隔離して、ケースのマットをすべて交換してください。

マットの上に幼虫がマットの上に出ていたらまずは健康状態をチェックしよう!

カブトムシの幼虫がマットの上に出ていたら、イロイロ要因はあると思いますが、まず幼虫の健康状態をチェックしましょう!

病気が疑わしい場合は早急に、その幼虫を別ケースで隔離して他の幼虫に伝染しないための対策を行ってください。そしてケース内のマットをすべて廃棄して、新しいマットに交換してください。

同じケースを再使用する場合はケースをきれいに洗ってアルコール消毒をしてから使用してくださいね!

カブトムシの幼虫飼育 ケースの大きさに対して飼育数が多すぎる

小さな飼育ケースに大量のカブトムシの幼虫を飼育しているイラスト

カブトムシの幼虫は、クワガタの幼虫に比べると成長速度がかなり早いです。つまりマットをモリモリ食べてどんどん成長していきます。

なので、小さい飼育ケースで多くの幼虫を多くの幼虫を飼育していると、他の幼虫との兼ね合いや、エサを探して回ってマットの上にひょこり出てくる幼虫がいます。

対策は飼育数が多すぎるので容量に余裕のある飼育ケースにたっぷりマットを入れて飼育する

対策として飼育ケースの大きさ(入っているマットの量)に対して、適正な数の幼虫を飼育するようにしてあげましょう。

幼虫の飼育数に対する適正な飼育ケースのサイズについては、僕の運営するYou tubeチャンネルの「【超初心者向け】国産カブトムシ 幼虫の飼育方法 成虫までの育て方と注意点を徹底解説!」で解説していますので興味のあり方はご覧になってください。動画開始から6分14秒付近で解説しています!

適正なサイズの飼育ケースに十分な量のマットを入れているにも関わらず幼虫がマットの上に出てくる場合は、この後、ご説明する別の原因を考えましょう。

マットの上に大量のフン!餌が無くなったため餌を探してマットの上に出てくる

カブトムシの幼虫飼育でマット表面に幼虫のフンが大量にある状態

先程もご説明した通り、カブトムシの幼虫はマットをモリモリ食べます。

なので定期的にマット交換をしないとマットを食べ尽くして、フンだらけになってしまい、エサを探してマットの上に出てくる幼虫がいます。

対策は定期的にマット交換!すべて交換するのではなくちょっとした工夫を!

もし、マットの上に幼虫がひょこり出てきていて、マット表面がフンだらけになっている場合は、まずマット交換をしてあげるといいでしょう。

注意点としまして、マットの全容量を交換してしまうとごく稀になじめない子が出てくるので、新しいマットを入れた跡、これまで使っていたマットを上に少し入れてあげましょう!

そうすることで、幼虫たちが新しいマットに馴染みやすくなります。

マットの水分が多すぎ!もしくは乾燥しすぎ!

カブトムシの幼虫飼育においてマットに含まれる水分量はとても大切です。

マットに含まれる水分量が多すぎて、マットがグチョグチョでもよくないし、逆に乾燥しすぎていても良くないです。こういった場合にも幼虫が土の上に出てくることがあります。

マットの水分量が多すぎ、また乾燥しすぎ、どちらにしても幼虫にはよくないので飼育環境の改善が必要です。

マットの水分量が多すぎるときの対策

マットの水分量は口で説明するのは難しいですが、グッと握ったら軽く固まるくらいを目安にしてください。握ったときに指の隙間から水がにじみ出てくるようなら水分が多すぎるのでマットを足して水分比率を下げる必要があります。

一気に水を入れすぎると水分量が多すぎてしまうので少しづつ加水していきましょう!

マットが乾燥しているとき対策

マットが乾燥しすぎているのも幼虫にとって良くないです。

マットを握ったときに、マットが固まらず崩れ落ちるようなら水分が少なすぎるので水を足してあげましょう。加水の目安はマットを握ったら軽く固まる程度です。

水分調整済みマットを使うと便利!

初心者の方は「え?マットの水分調整!?」「そんなのできないよ~」って思うかもしれませんが、販売されているマットの中には、水分調整されており、そのまま使えるものすごい便利なマットもあります。

僕が使っているモノでは、フォーテックのカブト1番JBというマットが水分調整済みで実績もあるマットなんでおすすめです。

マットの再発酵による酸欠・マットの温度上昇が原因

まずマットの再発酵とは、マット内のバクテリア(微生物)の活動が活発になる条件が整って、バクテリアが異常に増殖し大量のガス(二酸化炭素)を発生させマット内の温度が上昇することで、幼虫の飼育環境を悪化させてしまいます。

マットから鼻にくるツンとした臭いがしたり、マット内の温度が異常に高い場合は再発酵している可能性が高いです。

再発酵するとマット内の温度が上昇するだけでなくバクテリアが大量の二酸化炭素を排出するので、幼虫たちがマット内で酸欠を起こしてしまいます。その結果、酸素を求めてマット表面に出てきてしまうんですね!

マットが再発酵したらマットを交換するかマットのガス抜きが必要!

マットが再発酵したら、その飼育環境ではカブトムシの幼虫を飼育することは難しいので、正常なマットに交換してあげる必要があります。

再発酵したマットは直射日光の当たらない風通しの良い日陰で2~3日程度、風にさらしてあげることで再発酵がおさまり再使用できるようになります。

この作業をガス抜きと呼びますが、どちらにせよガス抜きしている間は幼虫に新しいマットを準備してあげ新しいマットで飼育してあげる必要があるので、どちらにせよ新しいマットが必要になります。

カブトムシの幼虫飼育では定期的にマット交換をする必要があるので、事前にマットをストックしておくと安心ですね!

マットの締め具合が弱い(4~5月)

ここまでお話した幼虫がマット表面に出てくる5つの理由は主に冬になる前に起こることが多いのですが、この「マットの締め具合が弱い!」という理由で幼虫がマット表面に出てくるのは、幼虫たちが蛹になる前の4~5月頃のお話です。

僕の経験上、この4~5月頃は本当によくマット表面に幼虫が出てきます(笑)

この時期は幼虫たちが蛹になる場所を探し始めます。ちなみに、この幼虫たちが蛹になる場所を探す行動のことをワンダリングと呼びます。

幼虫たちは、蛹になるための部屋、蛹室を液状のフンや口から出す粘性のある物質を使って作ります。その際にマットの締め具合が緩く蛹室の側壁を固めづらい場所を嫌い、マットがしっかりと押し固められている蛹室作りに適した場所を探し求めます。

もし、飼育ケース内のマットがすべて押し固められておらず、ゆるゆるの状態だった場合、カブトムシの幼虫は蛹室作りに適した場所を探し求めてマット表面い出てきたり、また潜ったかと思うと、また出てきたりと潜る出てくるを繰り返すようになります。

4~5月頃にカブトムシの幼虫が土の上に出てくる場合はマットを押し固める

この場合の対処方法はいたって簡単です。

いったん、幼虫たちを飼育ケースからすべて出してマットをしっかりと押し固めましょう。そして押し固めたら幼虫たちが潜りやすいように穴を掘って幼虫を入れてあげましょう!

飼育ケースのサイズに対して幼虫の飼育数が多すぎると、幼虫たちがマット内を移動しまくって押し固めたマットがまた緩んでしまうので、飼育数にも注意してくださいね!

新しいマットに馴染めない(マットとの相性が悪い)

カブトムシの幼虫飼育を長い間していると、稀にですが、ここまでお話してきたような幼虫がマット表面に出てくるような理由が見当たらにのにマット表面に出てくる幼虫がいます。

「特に理由が見当たらないのにどうしてかな~?」と思いますよね!

マットとの相性が悪い可能性がある場合はとりあえずマット交換!

この場合、僕の経験上でのお話ですがマット交換をすると潜っていくことがほとんどでした。

なので、この記事でここまでご説明してきた6つの理由に当てはまらない場合は、マット交換をしてみてください。何らかの理由で幼虫とマットの相性が悪いのかもしれません。

カブトムシの幼虫が土の上に出てくる理由と対処方法 まとめ

この記事ではカブトムシの幼虫が土の上に出てくる7つの理由と、それぞれの場合の対処方法について僕の経験をもとにご説明させていただきました。

まとめとしまして、もしあなたが幼虫飼育をしていて幼虫が土の上に出てきた場合、可能性は低いですが、まず病気を疑って幼虫が正常かどうか確認してください。明らかにブヨブヨだったり、幼虫の体の表面に黒い斑点がある場合は、病気の可能性が高いので対処を急いでください。

可能性が低くても幼虫が全滅する恐れがあるので気を付けましょう!

それ以外では、この「幼虫が土の上に出てくる」という理由の中ではエサが不足する場合と、4~5月頃のワンダリング行動中に蛹室作りに適した場所が見つからずに土の上に出てくるケースが多いようです。

もし、この記事があなたのカブトムシの幼虫飼育の助けになれれば幸いです!最後までお読みいただきありがとうございました!