ダンゴムシは多くの子供に親しまれる虫で生き物飼育の入門編としてはオススメです。
その一方で、園芸では植物の新芽や花を食べる害虫として嫌われることもあり害虫として扱われることもあります。
ダンゴムシはどんな生態を持ち、どんな天敵がいるのでしょうか?また、ダンゴムシの駆除や対策はどうすればいいのでしょうか?
この記事では、ダンゴムシの天敵と植物の食害を防ぐ方法について、詳しく解説すると共に、ダンゴムシと共存していく方法についてもお話していきますので、ぜひ最後までご覧になってください。
なお、はじめに申し上げておきますが、この記事はダンゴムシを効率よく駆除する方法をお伝えするためのものではなくダンゴムシの生態を知ることでダンゴムシと共存することを目的とした記事ですので、ご理解いただけると嬉しいです。
ダンゴムシの生態と特徴 森の分解者としての益虫という側面もある
ダンゴムシはムシと名前についていながら、実は虫ではなく、エビやカニと同じ甲殻類の節足動物です。体長は3〜10mmほどで、体色は黒や灰色、茶色のものなどが存在します。
卵から孵ると、脱皮を繰り返して外殻の強度を増していきます。ダンゴムシは刺激を受けるとくるんと丸まることができますが、これは天敵から身を守るための防御行動です。
ダンゴムシは夜行性で、湿った薄暗い環境を好みます。そのため、日中は土中や落ち葉の下などに隠れています。
ダンゴムシは基本的に落ち葉や枯れ草などを食べて、微生物が分解しやすい状態にして土壌改善を促してくれる、益虫でもあります。
しかし、大量繁殖し、落ち葉などの食料がなくなると、植物の新芽や花、ときには果実などの柔らかい部分を食害する害虫となります。
食害された部分には、穴やくぼみが空いて、植物が弱っていきます。
ダンゴムシが発生しやすい時期は、冬眠期以外の3〜11月で、交尾が盛んになる繁殖期は、平均気温20°Cほどの4〜9月です。
ダンゴムシのメスは、交尾後、自分のお腹にある保育嚢に産卵します。数週間後にはそこから100匹前後の幼虫が孵化して繁殖していきます。
秋口にもなると、その春に生まれたダンゴムシのメスが新たに卵を生み、繁殖していきます。
ダンゴムシの天敵について 意外と多くの天敵がいる
ダンゴムシは驚くほど天敵が多い虫です。地中に隠れて過ごすダンゴムシは、自分よりも体が小さいアリのエサになります。
じめじめした場所を好むカエルも天敵で、室内にも姿を現すムカデも天敵です。
さらに空中にはダンゴムシをまるごと食べる鳥がいるため、ダンゴムシに気が休まる場所はありません。
ダンゴムシの天敵は以下のように分類できます。
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これらの天敵を放飼にするのもダンゴムシの駆除方法の一つですが、殺虫剤などを選ぶときは、これらの天敵に影響がないものを選ぶようにするといいでしょう。
ダンゴムシの駆除方法とは?
大量発生したダンゴムシをてっとり早く駆除するには、やはり殺虫剤が効果的です。殺虫剤にもさまざまなタイプがあるので、育てている植物や、用途に合わせて使い分けると良いでしょう。
殺虫剤のタイプ別特性は以下の通りです。
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スプレータイプの殺虫剤で駆除
即効性・殺虫性がともに高い殺虫剤ですが、野菜などの食用作物には、人体への有毒成分がつく可能性もあります。
粉末タイプの殺虫剤で駆除
殺虫性は落ちますが、持続性が高く、同時にダンゴムシの侵入も防げる、長期的な効果もあります。
誘引タイプ
ダンゴムシがわきそうな場所の近くに置いてダンゴムシを誘引し、植物の被害を防ぎます。殺虫性はありませんが、植物や人体にも優しいです。
殺虫剤以外のダンゴムシ駆除方法
殺虫剤以外にも、以下のような駆除方法があります。
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空き缶で落とし穴トラップを仕掛ける
空き缶で落とし穴トラップを仕掛ける場合、空き缶の上部を切り取って、エサとなる湿った落ち葉、野菜くずなどを入れて、地中に埋めます。
ダンゴムシは空き缶に入って出られなくなります。定期的に空き缶を回収して処分します。
ダンゴムシが嫌うものを散布する
ダンゴムシが嫌うものを散布する方法もあります。
ダンゴムシは酸性を嫌うので、酢やレモン汁などを散布すると、ダンゴムシを遠ざけることができます。また、コーヒーのカスやハーブなどの香りもダンゴムシが嫌うものです。
これらを土に混ぜたり、植物の周りに置いたりすると、ダンゴムシの侵入を防げます。
ダンゴムシの天敵が住みやすい環境をつくる
あまり現実的ではありませんが、ダンゴムシの天敵を味方にする方法もあります。ダンゴムシの天敵であるカエルやトカゲなどを庭に住みやすい環境にすると、ダンゴムシの数を自然に減らしてくれます。
水場や隠れ家を作ったり、石や木の枝を置いたりすると、天敵がやってきやすくなります。
ダンゴムシの予防方法とは?
ダンゴムシの駆除方法を知ったところで、ダンゴムシが発生しないように予防することが大切です。
ダンゴムシの予防方法は以下の通りです。
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土の乾燥を保つ ダンゴムシは乾燥を嫌う
ダンゴムシは湿った土を好むので、土が乾燥しているとダンゴムシは寄り付きにくくなります。水やりは必要最低限にし、土の表面が乾いていることを確認しましょう。
ダンゴムシのエサになる落ち葉や枯れ草を片付ける
ダンゴムシは落ち葉や枯れ草などを食べるので、これらを放置しておくとダンゴムシのエサになります。定期的に落ち葉や枯れ草を片付けて、ダンゴムシの発生源を断ちましょう。
植物の間隔を空ける
植物が密集していると、日光が当たらずに蒸れやすくなります。これはダンゴムシにとって好ましい環境です。植物の間隔を空けて、日光や風が通りやすくしましょう。
ダンゴムシとうまく付き合うコツ ダンゴムシと共存することを考える
ダンゴムシは植物の食害をする害虫として嫌われることが多いですが、実はダンゴムシにも良い面があります。
ダンゴムシは土壌改善に貢献してくれる益虫でもありますし、子供たちにとっては身近な生き物として観察や飼育の対象になります。
ダンゴムシとうまく付き合うコツは以下の通りです。
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ダンゴムシの生態を理解する
ダンゴムシはどんな環境を好み、どんな食性を持ち、どんな天敵がいるのかを知ることで、ダンゴムシの発生や駆除の方法がわかりやすくなります。
ダンゴムシの生態を理解することで、ダンゴムシに対する恐怖や嫌悪感も減らせます。
ダンゴムシを飼育する
ダンゴムシは飼育しやすい虫です。ペットボトルやプラスチック容器などに穴をあけて、湿った土や落ち葉、野菜くずなどを入れて、ダンゴムシを入れれば、簡単に飼育できます。ダンゴムシを飼育することで、ダンゴムシの観察や学習ができますし、ダンゴムシに対する愛着や興味も湧きます。
ダンゴムシの飼育方法につきましては、「ダンゴムシの飼い方|ダンゴムシの飼育方法・必要なもの・注意点を50匹のダンゴムシを飼育する虫好きが詳しく解説!」の中で詳しく解説していますので興味のある方はご覧になってくださいね。
ダンゴムシをリスペクトする
ダンゴムシは人間にとっては害虫かもしれませんが、自然界にとっては重要な役割を果たしている生き物です。
ダンゴムシは土壌の循環や生態系のバランスに貢献しています。ダンゴムシをリスペクトすることで、自然との共生や環境保護の意識も高まります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事ではダンゴムシの点滴にはどのような生き物がいるのか?
またダンゴムシの駆除方法や発生予防などについてご説明させていただきましたが出来れば同じ地球上に生きる生き物として共存する道を選んでもらいたいと思います。
今回の記事があなたの役に立つことを祈っております。